相続
2018年12月31日 月曜日
自社株を後継者に安定的に継がせるには?
自分がオーナーとして経営してきた会社を、後継者(例えば長男)に安定的に継がせたい場合、長男に株式を、できれば全て継がせたいところですが、他の相続人(次男)から遺留分を主張されるリスクがあります。
この点に対処するには、後継者以外の相続人に予め遺留分を放棄してもらう制度の利用も考えられすが、放棄する人自身が家裁に申し立てて許可を得る必要があり、使いづらいです。
そこで、中小企業経営承継円滑化法で民法の特例が定められています。具体的には、旧代表者の推定相続人全員及び後継者の合意のもと、旧代表者から後継者に贈与等された自社株式を遺留分算定の基礎となる財産から除外することで、後日、遺留分主張を受けるのを防げます(除外合意)。また、算定の基礎となる財産に算入する価額を合意時の時価に固定する合意をすることで、遺留分の額が想定外となるのを防げます(固定合意)。
この特例も、なお使いづらいかもしれませんが、特に、合意後、旧代表者が亡くなるまでに株価が上昇した場合にも自社株式を分散させずに済む点で、役立ちます。
特例を利用できる要件は、後継者(推定相続人以外でも構いません)が旧代表者から贈与を受けたことにより議決権の過半数の株式を有すること、後継者が会社の代表者であること等です。
手続は、合意書作成→経済産業大臣の確認→家庭裁判所の許可、という流れです。確認申請・許可申立は後継者単独でできます。
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