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2024年11月16日 土曜日

篠山景観訴訟ー日経アーキテクチュア

 ここ5年ほど代理人として取り組んでいる篠山景観訴訟について、日経クロステック( https://xtech.nikkei.com/top/building/ )、日経アーキテクチュア(11月14日発売分)で採り上げられています。日経アーキテクチュアの方が詳しいです。

 この訴訟は、丹波篠山市の先進的な条例により、原則として建築面積1000㎡以上の建築が禁止されている地域内、しかも重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の隣地に、市自らが、建築面積1500㎡超のビジネスホテルを誘致し、建築を許可したことについて、その許可取消を周辺住民が求めているものです。

 

 地裁の判決の問題点については、原告のお一人金野幸雄氏が、詳しく書いておられます。(https://note.com/kazenooto/n/n25821dda1db8?sub_rt=share_sb&fbclid=IwY2xjawGh8HRleHRuA2FlbQIxMQABHfdeqCs65t7dJKHiutHXYqzKqVi-DJd0W7_e1iNvapRwWfiC06mzK-kofg_aem_G57oCDMzA7R2g6EjwtVRlA )

 付け加えると、景観侵害、景観破壊になるかどうかについて、裁判所からは、個々人の主観次第だと言われがちですが、原告側は、心情を述べるだけではなく、市の基準に照らして、証拠をもとに議論を進めてきています。

 なお、原告の人数は3名ですが、それ以外に計画に反対する多数の住民、さらに条例に沿って活動している複数の事業者から意見書が提出されています。他にも、小さい町での人間関係があるため、疑問に思っているが名前を出して反対できないという方もいらっしゃる中、原告の皆さんは覚悟をもって立ち上がっておられます。

 また、原告側は、開発には何でも反対というのではなく、城下町に適したまちづくりのあり方について、代替的・具体的な考えを有し実践しておられることに、本件の特徴があります。実際、篠山城下町をはじめ市内では、地域に根差した活動が盛んです。

 

 高裁には、条例や基準を踏まえ、証拠をもとに丹念な検討をしていただきたいです。